2016年3月まで発刊をしていた人気季刊誌『銀座十字屋タイムス(旧・銀座十字屋通信)』で人気のあった連載「ハープ解体新書」をお届けいたします。
ハープ解体新書Vol.1 「ハープが誕生したのはいつ?」
よく「ハープはいつ頃、作られたのでしょうか?」という質問をされます。考古学的検証は学者の先生方にお任せするといたしまして、一般的には古代エジプトやメソポタミアからハープが使われたといわれています。
しかし、私たちはその説を鵜呑みに信じておりません。たとえば、現代でも宗教的儀式として残っている悪霊退散のための「弓を大空に向かって掻きならす」という行為。この音に注目したことはありますか?
そこで、どのような音が出るか実験してみました。 弓の一方の端を床に立てたり、逆さにしたり、すり鉢に立てて弓をはじいたり……。 すると、予想以上に大きな音が鳴るのです。
私が「悪霊退散」が盛んな時代に生まれていたならば、目的そのものより音楽的興味を持ったかもしれません。
もし、みなさんが古代エジプトやメソポタミアの時代に生まれていたら……想像が膨らみますね。つまり、ハープはとても古くから存在するということ以外、謎に包まれた魅惑の楽器なのです。
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