ハープの歴史 Vol.2 ~アメリカ大陸のハープ~
アメリカ大陸のハープは、他の土地から輸入されたものです。
サンフランシスコからパナマ運河に至る細長い沿岸地帯に住む先住民族たちは、ひょうたん状の果実を共鳴胴に用いた「アルク・ミュジカル」を知っていますが、これの使用は、後に少なくなっていきます。
今日、ラテン・アメリカで演奏されているハープは、スペイン人によって新大陸にもたらされ、現地の先住民が改良を加えたものです。
このハープは「アルパ」(別名インディアン・ハープ)と呼ばれ、かなり大型(5オクターブ程度)で、共鳴胴は太く、ペダルはなく、共鳴胴は2本の脚で支えられています。
指より爪で弾かれることが多く、そのため、昔は爪の硬い男性が演奏することが多かったようです。
硬い爪で弾くので、普通のハープより少々硬く、明るい音が特徴的です。
このハープは、置いて弾かれるだけではなく、踊りを伴う行列に参加することもできました。
その際、演奏者は楽器を持ち上げ、歩きながら弾いていたそうです。
<脚注>※1 アルハンブラ楽器様のご好意により画像を提供していただきました。