2017年最初のランチタイムコンサートは
井上栄利加さんによるソロコンサートシリーズ第6回目でした。
井上さんは、銀座十字屋のハープ講師もされています。
1曲目はトーマスの「エチュードNo11」を演奏して下さいました。
エチュードというと練習曲といったイメージですが、流れるような旋律がとても美しく、あっという間に井上さんの演奏に惹き込まれました。
次に、トゥルニエの「イマージュ第1組曲」を演奏して下さいました。
公園の池に映る月明かり、寺院の前にて、ダンサー・ロリータ という3つの小品からなっています。
ゆったりとした曲、リズミカルな曲と様々な特徴を丁寧に表現されていました。
最後にサルツェードの「組曲」から、シシリアーナ、タンゴ、セギーディア を披露して下さいました。
こちらも、それぞれの特長を活かした表現をされているのが印象的でした。
そしてアンコールはサルツェードの「夜の歌」です。
ランチタイムコンサートでもよく演奏される曲ですので、聴かれたことがあるお客様も多いかもしれません。井上さんの演奏された夜の歌はとても美しく、華やかさもあり、贅沢なアンコールでした。
井上さんの素晴らしい演奏に、会場のお客様もとても楽しんでいらっしゃいました。
Program
Studio No. 11 / J. Thomas
エチュードNo. 11
Images suite 1er / M. Tournier
公園の池に映る月明かり
寺院の前にて
ダンサー・ロリータ
Suite de danse / C. Salzedo
シシリアーナ
タンゴ
セギーディア
井上 栄利加(ハープ)
桐朋学園高校を経て1974年、桐朋学園大学卒業。音楽賞、卒業演奏会出演。同年、研究科入学。パリ音楽院入学。1978年、パリ国立音楽院卒業。その間、第5回、第6回イスラエルハープコンクール入賞、ジュネーブ国際コンクールハープ部門デュプロマ賞、コンセール・アミオーディション第1位受賞。1978年、デビューリサイタル。(石橋メモリアルホール)以後、各地で数多くのリサイタルを開く。特に、’88、’89、’91(サントリーホール、東京文化会館)のリサイタルではM.トゥルニエ氏の作品を意欲的に取り上げ「ソフトで厚みのある音と熱さを有し、舞う時のリズムも弾みがあり、平坦でなく遠近感も生んで行く。特にイマージュ第4組曲で醸し出した暖かみや哀歓は、この人の感性が優れている事の証しとして特に印象的。」(音楽の友)と、高い評価を得る。また、1997年のリサイタル(東京文化会館小ホール)では初めてM.トゥルニエ氏の作品から離れ、新境地を開いた。同年、モーツァルト「フルートとハープの為のコンチェルト」を神奈川フィルハーモニーと協演。海外公演においては、オランダで開かれたハープ週間、ウィーンで開かれたハープコングレスに参加、コンサートを開く。
現代曲にも意欲的に取り組み、1992年、福井で開かれた世界初の現代音楽コンクール(ハープ曲のみ)において、作品と演奏が一体となり、最も優れているものに送られる福井音楽特別賞を受賞した。1995年にも作品賞受賞に貢献する。また能楽と洋楽が合体するという、画期的な創作能「高山右近」(原作加賀乙彦、音楽野田喗行、仕手梅若猶彦、衣装森英恵)に当初より参加。1999年には東京文化会館、パリ公演を行い、いずれも大成功を収める。録音にも力を入れ、FMリサイタル多数参加を始め、エル企画よりカセット「Message」、ALM、PAVANEよりCD「Images」、「偶然の「波動」「森の中の泉へ」(いずれもソロアルバム)、アンサンブルが発売されている。
日本ハープ協会理事。